【令和8年6月最新版】民泊・旅館業の規制とは?東京23区の用途地域・上乗せ条例 難易度別まとめ

民泊

気になる物件を見つけたら、必ず確認したいのが 「用途地域」 と 「特別用途地区」 です。
旅館業・住宅宿泊業(以下、民泊)では、物件が属する用途地域によって 運営の可否や必要条件が大きく変わります

この記事では、用途地域・特別用途地区の基礎知識と、実際の民泊・旅館業で必要となる運営条件について解説します。

前回はこちら↓

東京23区で民泊・旅館業を始める前に「用途地域」と「特別用途地区」の基礎知識

用途地域とは

用途地域とは、都市計画法にもとづき「どのエリアに、どの用途の建物を建てられるか」を区分した制度です。
住居・商業・工業など13種類に分類されており、地域によって 建てられる建物や許可される用途が異なります。

特別用途地区とは

特別用途地区とは、用途地域にさらに上乗せして細かい規制を加える地区のことです。
街の景観保護や教育環境の維持、風俗営業の抑制など、特定の目的のために定められています。

旅館業や民泊に影響しやすい特別用途地区の例:

文教地区
学校などの文化教育施設が集まる地域。

娯楽・レクリエーション地区
観光業を促進するためのエリア。
例えば、静岡県熱海市では、本来旅館業が許可されない用途地域でも、特別用途地区の指定により営業が認められている。

出典:
用途地域(国土交通省)

https://www.mlit.go.jp/common/000234474.pdf

物件の用途地域・特別用途地区の調べ方【初心者向け】

用途地域や特別用途地区は、以下の方法で確認できます。

自治体のウェブサイトを確認する

多くの自治体で都市計画図がオンライン公開されています。
地図検索や住所入力で、該当地域の用途地域・特別用途地区を簡単に調べることができます。

江東区の公開型地理情報システム「ことまっぷ」

自治体の都市計画課に問い合わせる

役所の窓口や電話で直接確認する方法です。
最新の都市計画図を入手でき、より正確な情報を得られます。

「用途地域」「特別用途地区」を確認したら、その物件が旅館業・民泊として運営できるのか、どのような条件で運営可能なのかを確認しましょう。

旅館業はどの用途地域で可能?営業できる地域一覧

旅館業が許可される主な用途地域は以下のとおりです。

  • 第一種住居地域
  • 第二種住居地域
  • 準住居地域
  • 近隣商業地域
  • 商業地域
  • 準工業地域

これらを除いた「住居専用地域」や「工業専用地域」などの地域では、原則として旅館業を運営することはできません。

東京23区|旅館業に対する自治体ごとの追加規制

用途地域が旅館業に適していても、自治体独自の規制によってさらに条件が加わります。
詳細については、各自治体のホームページから確認が必要です。

主な規制内容:
・管理者の常駐義務
・フロント設置義務
・駆けつけ要件(10分以内など)
・防犯カメラ設置義務

【旅館業・難易度高】東京23区で規制が特に厳しい区

常駐フロント設置
千代田区(※1)必要必要
台東区必要必要
中央区必要必要
文京区必要不要
荒川区必要必要
練馬区必要不要
※チェックイン業務や本人確認が必要になるケースあり。担当者要確認。
墨田区必要(4/1~)不要
葛飾区必要(4/1~)不要
渋谷区必要(7/1~)不要
江東区必要(7/1~)不要

(※1)令和8年7月1日より、総客室の延床面積の下限が200㎡以上であることが条件となります。

【旅館業】その他の区と必要条件まとめ

常駐フロント設置駆け付け
港区不要不要10分以内
新宿区不要不要10分以内
北区不要(運営条件によって必要となるケース有)不要(運営条件によって必要となるケース有)10分以内
江戸川区不要不要徒歩10分以内
中野区不要不要10分以内
杉並区不要不要徒歩10分以内
豊島区不要不要10分以内
板橋区不要不要徒歩10分以内
品川区不要不要10分以内
目黒区不要不要10分以内
足立区不要不要10分以内
大田区不要不要徒歩10分以内
世田谷区不要不要10分以内

東京23区|民泊(住宅宿泊事業)の自治体ごとの運営条件

民泊は「住宅の一部を一時的に貸し出す」という制度のため、用途地域による制限はありません。

ただし、住宅宿泊事業法(民泊新法)では、一部地域を除き原則として年間180日以内の営業日数制限が設けられております。

さらに自治体が定める上乗せ条例によって営業日数・受付方法・周知義務などの追加制限が加わる場合があります。

【民泊・難易度低】上乗せ条例なしで運営しやすい区

23区で上乗せ条例のない地域は以下になります。これらの区は比較的運営しやすいエリアです。

墨田区上乗せ条例無し
豊島区(※2)
北区

(※2)令和8年12月16日より、春休み・夏休み・冬休みの期間に限る(年間120日)営業に制限されます。

【民泊・難易度中】用途地域・特別用途地区による民泊制限がある地域

以下の区では、「住居専用地域は土日祝のみ」「その他の地域は180日以内で可」など、用途地域や特別用途地区に応じた上乗せ条例があります。

港区住居専用地域・文教地区では下記の期間で営業できません。
1月11日正午から3月20日正午
4月11日正午から7月10日正午
9月1日正午から12月20日正午

※家主居住型に対しては適用なし
渋谷区住居専用地域・文京地区・第一種住居地域・第二種住居地域・準住居地域では下記の期間で営業できません。
・4月5日から7月20日まで
・8月29日から10月の第2月曜日の前の週の水曜日まで
・10月の第2月曜日の前の週の土曜日から12月25日まで
・1月7日から3月25日まで

※半径100メートル以内に「自己の生活の本拠として使用する住宅」または「住宅宿泊管理業者の営業所もしくは事務所」があることなどの要件を満たした場合は、年間180日まで運営可能。
新宿区住居専用地域では月曜日の正午から金曜日の正午までは営業することができません。
杉並区住居専用地域では、休日前の正午~休日後の正午の期間を除く、月曜日正午~金曜日正午までの期間(平日)の事業実施を制限します。
※家主居住型に対しては適用なし
世田谷区住居専用地域では、月曜日の正午から土曜日の正午まで(休日の正午からその翌日の正午を除く)の期間、原則として営業することができません。
足立区住居専用地域では月曜日の正午から金曜日の正午・12月31日正午から翌年の1月3日正午までの期間は営業できません。祝日の正午から翌日の正午までは営業可能です。
中野区住居専用地域では、金曜日・土曜日・日曜日・国民の祝日のみ営業可能です。
板橋区住居専用地域では、日曜日の正午から金曜日の正午まで営業不可、ただし国民の祝日に関する法律に定める休日の前日の正午から翌日の正午までを除きます。
品川区商業地域、近隣商業地域のみ180日営業可能。それ以外の地域では土曜日の正午から月曜日の正午まで営業可能。平日の祝日は営業不可となります。
文京区商業地域、近隣商業地域のみ180日営業可能。それ以外の地域では土曜日の正午から月曜日の正午まで営業可能。平日の祝日は営業不可となります。
練馬区住居専用地域では、月曜日の正午から金曜日の正午までは営業できません。「金曜日の正午から月曜日の正午まで」および「祝日の前日の正午から祝日の翌日の正午まで」の期間は営業できます。
葛飾区商業地域を除くすべての用途地域で常駐が必要となります。(4/1~)
江戸川区住居専用地域・住居地域では新規施設の開設が不可となります。(7/1~)

【民泊・難易度高】用途地域を問わず特に規制が厳しい区

千代田区「文教地区等」「学校等周辺」「人口が密集している区域」「人口が密集していない区域」の4つに分かれています。
家主・管理者の常駐がある場合:
「文教地区等」「学校等周辺」でのみ日曜日の正午~金曜日の正午の営業が不可
家主不在型の場合:
「文教地区等」「学校等周辺」では営業不可
「人口が密集している区域」は日曜日の正午~金曜日の正午まで営業不可となります。
台東区管理者が常駐しない場合、月曜日の正午から土曜日の正午までの期間(祝日、年末年始除く)は営業することができません。
中央区区内全域で「土曜日正午から月曜日の正午まで」のみ営業可能となります。
荒川区月曜正午から土曜正午まで(祝日正午からその翌日の正午までを除く。)の間、営業することができません。
目黒区全域において、日曜日の正午から金曜日の正午まで営業することができません。
江東区全域において、月曜日の正午から土曜日の正午までは営業することができません。

用途地域を問わず、運営に厳しい制限が設けられているのは、以下の地域です。
これらの地域では「管理者の常駐が必要」「土・日曜日のみ営業可能」などの厳しい制限がかかります。

特区民泊とは?180日制限がない例外制度を解説

特区民泊とは、国が認定した自治体で実施できる制度で、通常の民泊にある「180日制限(一部地域を除く)」が撤廃され、東京都では大田区が該当します。
東京以外では大阪府、新潟市、北九州市なども特区民泊を採用しています。

(令和8年4月1日より、駆け付け体制に関する要件が、従来の「公共交通機関を利用して30分以内に駆け付け可能であること」から、「徒歩10分以内に駆け付け可能であること」へ変更となります。)

まとめ

この記事では、民泊・旅館業の運営に欠かせない 用途地域・特別用途地区・自治体の上乗せ規制 について解説しました。

  • 用途地域は旅館業の可否に直結
  • 特別用途地区は追加の規制が入る
  • 自治体ごとの上乗せ条例が運営形態に大きく影響
  • 一見難しい地域でも、自己利用・マンスリー併用・近距離管理などで運営可能なケースもある

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筆者

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ユウカツ運営母体であるニューオ株式会社は、2018年創業。 民泊・レンタルスペースに特化した不動産仲介の先駆的存在として、累計4,000件以上の仲介実績と100室超の民泊運営代行実績を持つ。 独自ルートによる物件取得と、自社での運営実績により培った「収益化できる物件選び」の知見を強みに、2024年に物件検索&コミュニティ「ユウカツ」を立ち上げ。 月200件以上の物件情報の配信に加え、業界を牽引するオピニオンリーダー「ユウカツクルー」と連携をしたセミナーや交流会を毎月実施中。 宅地建物取引業 東京都知事免許 (2) 第102629号 / 住宅宿泊管理業 国土交通大臣(01)第 F03000 号

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