加速する民泊の「規制強化」にいかに対抗するか?事業者が今すぐ取るべき「生存戦略」

民泊

東京都内の各自治体で民泊に対する規制強化の動きが加速しています。なぜ今、厳しい制限が課されようとしているのか。そして事業者は、この波をどう乗り越えるべきなのか。民泊・ゲストハウスに特化したリノベーション事業を行う、民泊を熟知した建築の専門家である山口慧さん(合同会社フリーダムスペース代表)に、その実態と戦略について語っていただきました。

規制を勝ち抜くための「民泊運営戦略」

――厳しい規制強化が続く中、事業者はどのような戦略を取るべきですか?

私は、民泊新法(住宅宿泊事業法)よりも、旅館業許可での運営を推奨しています。
民泊新法は自治体独自の上乗せ規制を受けやすく、営業日数を制限されるリスクがあります。
一方で旅館業は、同じ“宿泊”でも位置づけが異なり、突発的な規制変更の影響を受けにくい傾向があります。

さらに旅館業の大きなメリットとして、法改正により事業譲渡が行いやすくなった点があります。新法や特区民泊は廃業して取り直しが必要になりやすい一方、旅館業は名義変更で引き継げるケースが増え、出口戦略にも有利に働きます。

民泊新法は手続きが早く、比較的短期間で営業を開始できますが、年間180日しか営業できないという制限があります。 一方で、旅館業の許可取得には数ヶ月かかることもある。 まずは新法で最速でオープンして収益を上げながら、並行して旅館業の申請を進めるという方法がおすすめです。

住宅宿泊業法(民泊新法)旅館業法(簡易宿所など)
営業日数年間180日まで最大365日
(各自治体のルールによる)
自治体規制上乗せ条例による制限を比較的受けやすい突発的な規制変更の影響を受けづらい
申請期間1〜2か月程度(届出制)3〜6か月程度(許可制)
事業譲渡の際の手続き再申請が必要なケースが多い名義変更による承認がスムーズ


――旅館業の取得や切替を検討する場合に、物件選びやリスク回避のポイントは何でしょうか。

大前提として、用途地域と建築基準法(接道など)をクリアして、旅館業許可が取れる物件であることです。ここを曖昧にしたまま契約すると、後から「許可が取れない」リスクが出ます。

詳しくはこちら

今後の展望:地方創生と空き家活用

――最後に、今後の民泊業界の展望についてお聞かせください。

規制が厳しくなる一方で、空き家問題の解決策として民泊が持つポテンシャルは依然として高いままです。むしろ、地方に行くほど「使われていない家をどうするか」という課題は大きくなります。

今後は、ただ建物をリノベーションして宿泊施設にするだけでなく、「人が集まる仕組みとしての街おこし」へと、活動を広げていきたいです。自身の建築のバックグラウンドを活かし、単なる「物件」ではなく、地域の価値を再生させるような「宿」を作っていきたいですね。
たとえ行政が一時的に手のひらを返して規制を強めたとしても、地域に実利をもたらし、真に必要とされる運営モデルを確立していけば、民泊はもっと健全で魅力的な産業へと進化できるはずです。

そのためにも、今後も正しい情報を発信しながら、挑戦し続ける事業者を支えていきたいと考えています。

合同会社フリーダムスペース代表社員

山口 慧

民泊・ゲストハウスに特化したリノベーション事業を行う、民泊を熟知した建築の専門家。社会人生活で一度派遣切りに遭ったことをきっかけにバックパッカー1人旅を経験。建築及び内装事業で約10年の経験を積んだのち、2017年に企業。関連する法律にも精通しており「必ずゲストハウスや民泊の営業許可が取れる設計施工」をサービスの売りとしている。ビジョンは、”日本に自由な旅の形を根付かせる”こと。

ユウカツ 管理者

筆者

ユウカツ 管理者

ユウカツ運営母体であるニューオ株式会社は、2018年創業。 民泊・レンタルスペースに特化した不動産仲介の先駆的存在として、累計4,000件以上の仲介実績と100室超の民泊運営代行実績を持つ。 独自ルートによる物件取得と、自社での運営実績により培った「収益化できる物件選び」の知見を強みに、2024年に物件検索&コミュニティ「ユウカツ」を立ち上げ。 月200件以上の物件情報の配信に加え、業界を牽引するオピニオンリーダー「ユウカツクルー」と連携をしたセミナーや交流会を毎月実施中。 宅地建物取引業 東京都知事免許 (2) 第102629号 / 住宅宿泊管理業 国土交通大臣(01)第 F03000 号

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