【初心者向け】民泊の価格設定と在庫管理とは?収益を落とさない考え方を解説

民泊

民泊を始めるとき、「1泊いくらにすれば予約が入るのか」「空いている日は全部売ったほうがよいのか」と悩む方は多いのではないでしょうか。

民泊の価格設定は、単に安くして予約を増やすだけではありません。
需要が高い日は高単価で販売し、需要が弱い日は価格・最低宿泊数・割引を調整して空室を減らすことが重要です。

この記事では、民泊初心者向けに、価格設定と在庫管理を一体で考える基本を解説します。

民泊の価格設定は「安くすること」ではない

民泊の価格設定で大切なのは、予約数だけでなく「最終的にいくら手元に残るか」を見ることです。

価格を下げれば、予約は入りやすくなる場合があります。
しかし、安い価格で高需要日を埋めてしまうと、本来もっと高く売れた日の利益を取りこぼす可能性があります。

特に住宅宿泊事業法の民泊では、届出住宅ごとに年間180日以内という営業日数の制限があります。
そのため、限られた販売可能日をどのように使うかが重要です。

たとえば、同じ1泊でも、平日の閑散日と連休中の土曜日では価値が異なります。
「空いている日をすべて同じ価格で売る」のではなく、日ごとの需要に合わせて価格と販売条件を変える考え方が必要です。

価格設定で見るべき7つの要素

民泊の価格は、ひとつの数字だけで決めるものではありません。
次の要素を組み合わせて考えると整理しやすくなります。

項目確認すること
ベース価格通常期・平日の標準価格
曜日調整金曜・土曜・祝前日は高め、月曜から木曜は埋めやすい価格にする
季節調整
繁忙期は高単価、閑散期は割引や最低宿泊数の緩和を検討する
直前調整チェックイン日が近い空室は、値下げや最低宿泊数の変更を検討する
長期滞在割引7泊以上、28泊以上などで割引し、清掃や入替コストを抑える
OTA手数料Airbnb、Booking.com、Expediaなどの手数料差を踏まえて手取りで見る
清掃費宿泊単価とは別に設定できる場合でも、ゲストには総額で比較される

初心者がやりがちなのは、「周辺相場より少し安ければ選ばれる」と考えてしまうことです。
もちろん競合価格の確認は重要です。
ただし、立地、広さ、定員、設備、写真、レビュー、清掃品質が違えば、適正価格も変わります。

価格設定では、自分が取りたい金額だけでなく、ゲストから見た納得感を意識しましょう。

平日・週末・繁忙期で価格をどう変える?

民泊では、曜日や時期によって需要が大きく変わります。
そのため、平日も週末も同じ価格にしておくと、収益機会を逃しやすくなります。

観光・レジャー需要が強いエリアでは、金曜・土曜・祝前日に予約が集中しやすくなります。
一方で、出張や研修、ビジネス利用が多いエリアでは、平日の需要が強いケースもあります。

まずは、次のように分けて考えると実務に落とし込みやすくなります。

区分価格方針在庫方針
月曜から木曜稼働率を重視し、競合より高すぎない価格にする1泊予約を許可しやすい
金曜・土曜通常価格より高めに設定する2泊以上にするなど、安売りを避ける
日曜空室になりやすい調整日として考える日曜単体の値下げや連泊割引を検討する
祝前日週末と同じ扱いにする最低宿泊数を上げても予約が入るか確認する

繁忙期は、需要が強い日を安く売りすぎないことが重要です。
ゴールデンウィーク、夏休み、年末年始、花火大会、音楽フェス、スポーツ大会、受験・卒業シーズン、地域イベントなどは、通常より高い単価でも予約が入る可能性があります。

一方で、閑散期は単価を維持しすぎると空室が増えます。
価格だけでなく、最低宿泊数、直前割引、長期滞在割引を組み合わせて稼働率を確保しましょう。

最低宿泊数は収益に大きく影響する

最低宿泊数は、価格と同じくらい重要な収益管理項目です。

最低宿泊数を短くすると、予約対象者が増えます。
ただし、1泊予約が増えると、清掃回数や問い合わせ対応も増えます。

反対に、最低宿泊数を長くすると運営効率は上がります。
しかし、短期滞在のゲストが予約できなくなるため、空室が残る可能性もあります。

最低宿泊数は、固定ではなく、曜日・季節・予約までの残日数によって変えるものと考えましょう。

シーン考え方
通常の平日1泊から許可し、稼働率を上げる
金曜・土曜2泊以上にして週末の収益を最大化する
連休・年末年始2〜3泊以上にして高需要日を有効活用する
閑散期最低宿泊数を短くして予約対象を広げる
直前の空室1泊可にして穴埋めを狙う
清掃費が高い物件2泊以上にして1泊あたりの清掃負担を下げる

「金曜だけ1泊で予約され、土曜が空いてしまった」という状態になると、週末全体の収益が下がることがあります。
需要が高い日ほど、価格だけでなく最低宿泊数もセットで確認しましょう。

直前割引・早割・長期滞在割引の使い方

民泊では、チェックイン日が近づくほど空室リスクが高くなります。
残り日数が少ないのに予約が入っていない場合は、直前割引や最低宿泊数の緩和が有効です。

ただし、直前割引を常態化させると、「待てば安くなる物件」と見られる可能性があります。
そのため、繁忙期や週末は値下げしすぎず、閑散期や平日の空室対策として使うのが基本です。

価格調整は、次のような時間軸で考えると管理しやすくなります。

予約までの期間方針
60日以上前高めの価格で様子を見る
30〜60日前周辺競合と予約状況を見て調整する
14〜30日前空室が多ければ価格を下げる
7〜14日前直前割引や最低宿泊数の緩和を検討する
0〜7日前利益が出る範囲で柔軟に調整する

長期滞在割引も有効です。
7泊以上や28泊以上の予約が入ると、清掃や入替の回数を減らせます。
特に閑散期や平日の稼働を安定させたい場合は、週割・月割を検討する価値があります。

OTAごとに手取り額と表示価格を確認する

Airbnb、Booking.com、Expediaなど複数のOTAに掲載する場合、同じ物件でも見え方が変わります。
表示価格、手数料、割引機能、キャンセルポリシー、ゲスト層が異なるためです。

そのため、すべてのOTAに同じ価格を入れるだけでは不十分です。
OTAごとの手取り額と予約傾向を見ながら調整しましょう。

項目確認ポイント
手数料OTAごとの手取り額を比較する
表示価格ゲストに見える総額が高すぎないか確認する
清掃費宿泊単価と分けるか、単価に含めるかを検討する
キャンセルポリシー柔軟にすると予約は入りやすい一方、キャンセルリスクが上がる
割引週割、月割、直前割、早割、モバイル割などを確認する
ゲスト層国内旅行者、訪日外国人、長期滞在、出張などの違いを見る
予約リードタイム何日前に予約が入りやすいか確認する
口コミ・評価価格を上げても選ばれる根拠になる

初心者ほど、宿泊単価だけを見て判断しがちです。
しかし実際には、清掃費、OTA手数料、割引、キャンセル率まで含めた手取りで比較することが大切です。

在庫管理で注意したいポイント

在庫管理とは、単に「空いている日を販売すること」ではありません。
民泊では、販売可能日、予約済み日、清掃日、メンテナンス日、オーナー利用日、法令上の営業可能日を正確に管理する必要があります。

特に複数OTAに掲載する場合は、二重予約に注意が必要です。
カレンダー同期機能を使っていても、同期のタイミングに差が出る場合があります。
複数サイトで本格的に運用する場合は、チャンネルマネージャーやPMSの利用も検討しましょう。

在庫管理では、次の項目を確認します。

項目内容
販売可能日OTAで予約受付する日
ブロック日清掃、修繕、オーナー利用、営業日数調整など
清掃バッファ連泊後や繁忙期に清掃時間を確保する日
予約受付期限当日予約可、前日まで、2日前までなど
先の販売期間3か月先、6か月先、12か月先など
最低宿泊数曜日、季節、残日数に応じて調整する
営業日数管理住宅宿泊事業の場合、180日の残日数を確認する

価格設定と在庫管理は分けて考えないほうがよいです。
たとえば、繁忙期の土曜日を安く1泊で販売してしまうと、その前後の連泊予約を取り逃す場合があります。

「どの日を、いくらで、何泊以上で、どのOTAに出すか」までセットで設計しましょう。

180日制限がある民泊では日数の使い方も重要

住宅宿泊事業法の民泊では、年間営業日数が180日以内に制限されています。
観光庁の民泊制度ポータルサイトでも、住宅宿泊事業に関する制度情報や関連法令が案内されています。

営業日数に上限がある場合、安い価格で日数を消化しすぎないことが重要です。
特に需要が高い週末、連休、繁忙期をどう使うかで年間収益が変わります。

180日制限がある民泊では、次のような考え方が有効です。

  • 高需要日は重点的に販売する
  • 低需要日は無理に安売りせず、価格や最低宿泊数を見ながら調整する
  • 閑散期は長期滞在や平日割引を検討する
  • 月ごとに営業日数の消化状況を確認する
  • 自治体の上乗せ条例や運用ルールも確認する

制度や自治体の運用は変更される場合があります。
実際に申請・運営を行う際は、必ず最新の公式情報や自治体窓口を確認してください。

価格設定と在庫管理を組み合わせた実務例

最後に、物件タイプ別の考え方を整理します。

週末需要が強い都市型民泊

項目設定例
平日低めの価格、1泊可
金曜・土曜高めの価格、2泊以上
祝前日週末価格扱い
直前空室平日のみ直前割引
在庫管理金曜・土曜を安売りしないよう、早期予約の価格を高めに設定する

観光地の繁忙期民泊

項目設定例
繁忙期価格を高め、最低2〜3泊
閑散期価格を下げ、1泊可
連休早めに高単価で販売
直前空室が残った場合のみ段階的に値下げ
在庫管理イベント日、花火大会、大型連休を個別に管理する

住宅宿泊事業法の180日民泊

項目設定例
基本方針安売りで営業日数を消化しすぎない
高需要日重点的に販売する
低需要日無理に販売せず、価格を見ながら調整する
閑散期長期滞在や平日割引を検討する
在庫管理180日の残日数を月次で確認する

まとめ|価格と在庫をセットで設計しよう

この記事では、民泊の価格設定と在庫管理の基本を解説しました。

  • 民泊の価格設定は、安くして予約を増やすだけでは不十分です
  • 平日、週末、繁忙期、閑散期で価格と最低宿泊数を変えることが重要です
  • OTAごとの手数料や表示価格を見て、実際の手取り額で判断しましょう
  • 在庫管理では、清掃日、メンテナンス日、二重予約リスクも確認が必要です
  • 住宅宿泊事業法の民泊では、180日の営業日数をどう使うかが収益に影響します

民泊の収益を高めるには、「どの日を、いくらで、何泊以上で、どのOTAに出すか」を一体で設計することが大切です。
最初から完璧な価格を決める必要はありません。
予約状況、競合価格、口コミ、清掃体制を見ながら、少しずつ調整していきましょう。

ユウカツでは、民泊・レンタルスペース運営に適した物件探しから、運営代行のご相談までサポートしています。
価格設定や在庫管理に不安がある方は、物件選びの段階から運営後の収益設計まで含めて相談してみると安心です。

ユウカツ 管理者

筆者

ユウカツ 管理者

ユウカツ運営母体であるニューオ株式会社は、2018年創業。 民泊・レンタルスペースに特化した不動産仲介の先駆的存在として、累計4,000件以上の仲介実績と100室超の民泊運営代行実績を持つ。 独自ルートによる物件取得と、自社での運営実績により培った「収益化できる物件選び」の知見を強みに、2024年に物件検索&コミュニティ「ユウカツ」を立ち上げ。 月200件以上の物件情報の配信に加え、業界を牽引するオピニオンリーダー「ユウカツクルー」と連携をしたセミナーや交流会を毎月実施中。 宅地建物取引業 東京都知事免許 (2) 第102629号 / 住宅宿泊管理業 国土交通大臣(01)第 F03000 号

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民泊事業の売買や事業承継、不動産M&Aに関する情報をリサーチ・発信しています。...

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ユウカツ編集部|不動産・民泊ライター

民泊・不動産活用・投資に関するコンテンツを担当。初心者にもわかりやすい情報発信を心がけてい...

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